その2の桜に程近いところに この桜は在る
互いに見える位置に この桜は在る
とは言え 目視で約1キロは離れた
小高い丘の上の この桜は在る
はじめてこの桜を見たのは 昨年の同じ頃
その時はほとんど花も咲き終っていて
満開のときを もう一度見たいと思っていた
でも…この桜を見たときに 少し不気味な…
というか ゾッっとする そんなオーラを感じた
そのとき浮かんだイメージは まるで「落武者」のよう
それは その太く荒々しい枝振りからだろうか
それともその樹の生えている場所なのだろうか
この樹には名前が付けられていた「墓守桜」と
その周りには幾つかの墓が建っていて
それを見守るように枝を垂らしていた
近くで見ると やはり綺麗な枝垂れ桜である
こんなに大きな桜なのに樹齢は70年程という
地元の人が「この桜は他とは違い栄養がいいから
こんなに大きくなったんだろう」などと冗談を言っていた
少なくとも屋敷に生える桜と比べ 土地には養分が多く
根元の土を踏まれることも少ないことから
のびのびと こんなに大きく育ったのだろう