いきなり くじゅう登山 ~中岳のご来光~

午前1時目覚ましが鳴る… いったいどれだけ寝たんだ? と自分にツッコミを入れ
早々着替えて 予め準備していたデイバッグを背負って 車に乗り込んだ

というのも 前日の昼間に天気予報を見ていたら
土曜日 数日前まで金曜から雨の予報が 晴れとのこと

今年はミヤマキリシマも見に行きたいし
久住山あたりで 雲の上から 日の出も見てみたい

そういう思いが この重い腰を動かした
窓を開けて外を見ると 空一面に雲が…
天気予報では 大分県中部は曇り 西部は晴れ
これを信じて 車を走らせたのは 午前1時過ぎのこと

途中 イオン光吉店に寄って 食料を調達 おむすびと飲料
チョコレートと ガムと ソーセージも 単なる趣味である(笑)
ここを出たのが 1時45分くらいだっただろうか

目的地 牧の戸峠の駐車場には 3時頃には到着し
そこから2時間かけて くじゅう連山中岳の山頂に到着予定
ちょっと モタツイた感があったが 丑三つ時 単身山へと向かう

久住山 中岳には 昨年秋に 女房と一度登ったことがあるだけ
夜明け前の 真っ暗な山中を歩いたことなど 全く経験のない自分に
一抹の不安が残りながらも なんとか3時過ぎに目的地に到着

空模様が気になる 大分市内は曇り空 ここも同じようなら 諦めようとも思った
駐車場には数台の車 駐車場はがら空き状態 車を止め 外に出てみる

空を見て驚いた 満天の星空 目の前に北斗七星とカシオペア
真上には無数の星が 天の川を象っていた 南の空には巨大なサソリ座

ここまで来たら行くしかない ダウンとウインドブレーカーを羽織り
足には泥除けの脚絆を巻いて ヘッドライトにハンドライトを装備
時計を忘れたのに気づいたが 代用品は他にもある そそくさと出発

坂道のせいなのか 心細さからか 暗闇への不安からか
心臓の脈が すごく早く すごく大きく感じる 途中休み休み沓掛山に登る
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沓掛山の はしご道を越えさえすれば 後は比較的なだらかな道
ここに来るまで 前後を誰かいないか 確認しながら登ってきたが
それらしい光も見えない 3時過ぎに こんな所を歩いているのは
物好きな自分くらいしないないのだと 思い知らされた

周囲は風の音しかしない 少し獣のような臭いもした
遥か下の方からは 金属音なのか 動物の鳴き声なのか
キーッ キーッという 等間隔で聞こえる音がする なんなんだろう?

そんなことを思いながら 先に進むが 周囲はご覧のとおり真っ暗
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ストロボの光で 路面が見えるが 明かりを消すと まさに闇
電池は十分あるはずなので そのへんは気にしてないが
なにがしかの大きな動物が 目の前に現れないだろうかとの不安を
抱きつつ前に進む 沓掛山を過ぎた所で 3時40分くらいだったと思う

気がつくと 最初にバクバク状態だった心臓が だいぶ落ち着いてきていた
きつい上り坂がなくなり 暗闇にも慣れ 進むしかないという気持ちが
そうさせたのだと思う 辺りは風が少し強くなってきた
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砂塵が舞っているようで ストロボを焚くと 反射してこんな感じに写る
星生山との分岐点 この辺りで4時20分くらいになっていた
もうそろそろ 星の数が少なくなってきた 夜明けが近い
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空が青白くなってきて 稜線がはっきり分かるようになった
今日の日の出は 大分で5時12分 ここまでこれれば間に合いそうだ
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避難小屋を越えた頃 東のほうが どんどん明るくなる
先を急ぎたくなるが 無理をして怪我をしては元も子もない
足元もまだ暗く 怪我をしないように 一歩一歩前に進む
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御池の周りも 大きな石がゴロゴロしていて 踏み外さないように歩く
でもここを歩くときに このくらい明るくなってくれたので 良かった
真っ暗だと もっと慎重になる 正面に見えるのが中岳の山頂
薄っすらと ガスがかかっているのが気になるが 先を急ぐ
この辺りで4時50分くらいだったと思う あともう少し
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御池を渡り終え もう5時になっていた あともう少し 山頂まではすぐだ
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5時10分頃 さっきの御池は 眼下にある ここに来ると風がない
でもガスが 周囲にまとわりついている あと少し 岩場を這い上がっていく
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5時12分 山頂に到着 アバウトな計画なのに 見事に予定どおり登頂成功
半年以上ぶりの 登山だった まだ太陽が見えない もう少し待ってみる

それにしても風が強い 体感温度は5度くらいに感じる 止まった状態だと
体温がどんどん下がっていくのが分かる ダウンを着ててもこのままでは辛い
岩に隠れて 風下に居ると 何とかしのげる もうちょっと待ってみる事にした
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雲が流れて 向こうに時折 大船山が見える 次から次にガスが上がってくる
その向こうの雲海に まもなく日が昇ってきそうな そんな明りになってきた
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ガスの切れ間から 日が昇ってきた 見え隠れしながらも ご来光を拝むことが出来た
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少し待っていると 陽の光も強くなって 山頂のシルエットと陽の光が 神々しく見えた
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陽の光が 大船山を照らす 雲と山とが オレンジに染まり 空はどんどん青くなる
周囲の峰々にも 日があたり 登ってきた時の暗闇のことは すでに記憶から消えていた
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お腹が空いてきたが 風が強いので ここから降りることにした
第一の目的 山頂での日の出を見ること! 無事達成出来ました
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PS. そもそも自分は 登山が好きなわけではなく 単に写真を
撮りたいがために こうして山に登ったり あちこちに赴いていました

が 登山を経験して 日頃見れないものを 自分の目で見るというのが
登山の醍醐味なんだと 気付かされました 足に来ますがいいものですね
また違った景色を撮りに ここや 他の山にも行ってみたいと思います
来月くらい ミヤマキリシマが満開の頃にも ここに来てみたいですから♪