3月 今シーズン最後の雪山 ~くじゅう山系 大船山~

連休の中日、土曜日に、久しぶりに山に登ろうと決めた。
毎月1回以上は登ろうと、登り始めたのが昨年の5月
早いもので、もう11月目になる。
朝5時前に起床して、紅茶を沸かし水筒へ。
おむすびも握って準備完了。5時半過ぎに家を出て、一路久住方面に。

久住に着く頃には日の出過ぎで、山が赤く染まっていた。
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右が大船山、左が久住山中岳方面。山頂は真っ白。
さてどちらに行くか…。ここは七里田。時刻は6時30分。
此処からだと牧ノ戸までは3~40分は掛かる。
手前の大船山なら登山口まで10分くらいで着く。
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まだ一度しか登った事のない大船山に登ることにした。
牧野道の行けるところまで行って車を停め、其処から登山開始。
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既に3台が駐車されていて、辛うじて1台分の空きがあった。
其処に車を停め、登山靴に履き替え、準備して6時45分に出発。
ひと月ぶりの山歩きとあって、この坂はちょっとキツイ。
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峠付近の道路は、真っ白に雪で覆われていた。
足跡が数人分残っている。どうやら5人と1匹の足跡。
途中、凍ったところもあって滑りそうになりながらも、
アイゼンや滑り止めは履かずに登っていった。
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正面に黒岳が見える。こちらも雪化粧して綺麗だ。
大船山はあの山よりももっと高い。先は長い。
駐車した場所から40分ほどで登山口に到着。
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登山口。此処までは綺麗な舗装路だったが、この先は未開の地。
雪がくるぶし位まで積もっていて、先に登った人の足跡がクッキリ。
初めて登る登山道も、足跡を頼りに登れるので安心感がある。
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途中、分岐が幾つかあるが、足跡のお陰で迷うことなく先に進めた。
此処からは自分との戦い。重いリュックを担ぎ、足元は雪で歩きにくい。
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先を見ると嫌になるが、あと2時間ちょっと歩けば山頂に着くと信じ、
ひたすら足を前に向ける。途中に入山公墓がある。先ずは其処まで。

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その先は、我慢と期待のせめぎあいでした。
坂の途中で休み、水分補給してはまた進み、
進んでも進んでも、坂が途絶える事もなく続きます。
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この先にはきっと想像以上に綺麗な景色があるはず。
そんな期待だけが、足を前に進ませる機動力でした。
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少しづつ景色が変わり、霧氷が目に付き始めた。
駐車場から3時間経過。雪で足元が悪いせいか、体力不足か…。
思いのほか時間が掛かっている気がする。
頂上はもうすぐのはず。後どのくらいだろう。20分?それとも30分?
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霧氷で飾られた大岩。色んな写真で見ていたが、
こんなに綺麗なのは見たことがなかった。
ここまで登ってきて、心からよかったと思った瞬間。
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大船山の山頂に人影が見えた。山頂にはこの二人しか居なかった。
頂上でこの人に話を聞いてみると、広島から来られたようで、
前日から山に入っていたらしいが、昨日は嵐で先に行けず、
法華院で1泊したとのこと。昨年も久住山に登って嵐に遭い、
今回はそのリベンジだそうだ。九州でこんなに雪に降られようとはと
言っていたが、今年は雪がもっと積もったと説明すると驚いていた。
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広島から来た二人は早々下山した。山頂には自分ただ一人。
池の方から人の声はすれど、姿は見えず。
周囲の木々は一面真っ白で、この景色を独り占めできた。
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向かい側にはくじゅう連山の峰々が雪を纏ってとても綺麗だ。
こんなに天気がよく、雪景色が綺麗な日は登山者も多いことだろう。
牧ノ戸峠の駐車場も満車状態で、登山道も渋滞しているかもしれない。
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それと比べて此方はどうだろう。人影すら見えない。
さっき下山した人達の姿も、岩の陰や木々の下に隠れ、
この山頂から見えるのは、氷に閉ざされた世界だけ。
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山頂から、坊がつるを眺める。正面に見える三股山は未踏の山。
次はどの山にしようか。平治岳もまだ登った事がない。
ヤマキリシマの咲く前に、一度上っておきたいとも思っている。
そんな事を考えながら、暫くこのパノラマを独り占めしていた。
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眼下には、御池(おいけ)が凍っている。
この景色を見ることも、この山に登った目的の一つ。
暫く、暖かい日が続いたため、完全氷結ではないものの、
神秘的な景色だ。中岳の御池(みいけ)とは、一味違う。
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雪の中を掻き分けて、湖畔に下りてみた。
水深の浅いところしか乗っていないが、十分に立てる厚さだった。
氷は滑りやすく、それ以外の場所で氷の上には立てなかった。
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最高の景色を満喫し、1時間ほど山頂付近に居ただろうか。
11時30分に下山を開始。途中の景色を眺めながら下る。
途中、積もっていた雪はシャーベット状になり、溶け始めていた。
下るにつれて、登山道の雪は溶けて無くなっていた。
車を停めた場所に着いたのは、14時の少し前だった。

今回が2度目の大船登山。前回は最高の紅葉を魅せてもらい、
今回は白銀の山を楽しませてもらった。次にこの山に登る時は、
どれだけ素晴らしい眺めを魅せてくれるのか、今から楽しみだ。