夏の定番「さそり座」と「はくちょう座」に 意外な真夏の「オリオン座」 ~くじゅう連山 中岳にて~

7日の金曜日 大分の街は「七夕祭り」で 人がごった返している
この日は 「府内紙戦(ふないぱっちん)」 が中心部を練り歩く
お祭りというのは嫌いじゃないが 人混みは好きじゃない

こんな日は 街から離れて 星空観察というのも良い

できれば 「大船山」 の山頂から 大分市の夜景と 星空を眺めてみたい
長者原発 坊がつる経由で 大船山へ登ろうと考えていたのだが…

当初の計画としては 長者原に車を置き 日没までに雨ヶ池付近を通過し
休憩を兼ねて 薄暮の坊がつるで 明かりの灯るテントを眺め 写真に撮り
深夜 大船山の上で 星空を眺めながら 日の出を待つというもの

しかしながら 計画は計画 実際に大分市内を出たのは20時前だった

長者原には 21時過ぎに到着 辺りは真っ暗 誰一人登山しようという人はいない
空には沢山の星が輝き 真夏の星座である 『さそり座』 が南の空に輝いていた
イメージ 12

駐車場は キャンピングカーが止まっていて 街灯の光りが強すぎるので
ヘッドライトを装着し タデ原の散策道に行き そこから写真を撮ってみた


そうそう この時期に見れるとは思わなかったが 小川に蛍が舞っていた
残念ながら 写真には収められなかったが とてもいい出会いだった

この時間から坊がつるに向かっても 殆どのキャンパーは就寝時刻
キャンプの邪魔をしても申し訳ない 東の空も雲が掛っていて
大船山は眺望が望めないかも…』 と思うといつもの山が候補に挙がる


牧ノ戸に着いたのは22時頃 駐車場には車は少ない
いつもの場所に車を止めて 準備をし 22時20分頃出発した

時間がゆったりとある 空を眺めながら歩く 満天の星空 月灯りはない
ヘッドライトを消すと 真の闇になり 星の光だけしか見えなくなる


時折 大きな流れ星が 粉を撒くように上空を流れ落ちる
歩いている時は足元を見ているので 流星を観ることはできないが
休憩中は 上空を眺めてみる そんな短時間にも 幾つかの流星が見れる

後で気づいたのだが その多くは12~3日にピークを迎える
「ぺルセウス座流星群」 の放射点を中心に流れているようだった
もしかして その前兆なのではと思うと ピークが待ち遠しい


ゆっくりと歩いたので 2時間で登るところ 2時間半程掛っていた
中岳に着いたのは午前0時40分頃 山頂には誰も居ない
イメージ 13

誰も居ないのは 此処だけではなく 隣の天狗ヶ城も同じ状態
その向こうの 星生山も 向かいに見える大船山や 平治岳 三俣山も光はない
ただ天空から 23時50分頃に昇り始めた 23日の月が 照らすだけの世界

これを寂しいと感じるか 独り占めできていると感じるかは その人次第
どうせ時間が経てば 人は必ずやってくる 誰にも干渉されずに
また 誰にも気を使わずに この場所を占有できるというのは悪くない


坊がつるを見下ろすが 僅かにひとつ 点のような灯りが見える
もし大船山を目指していたとすると 幾つもの灯りのともるテントの様子は
決して撮れなかっただろう それと 今日は足が重かった
こんなコンディションで 片道4時間近く歩くのは 無謀だったかもしれない

一人っきりで過ごせる貴重な時間 暫く此処で 星空の観察をしよう

北斗七星は地平に沈もうとしていた 地平に近い部分は
もう 地上の光に飲み込まれて 見えなくなっているイメージ 1
あの光 何処だろうと思って 調べてみたら どうやら北九州の方らしい
ポツンと 点で見えるのは 行橋市苅田町の 街灯りだろうか?
その右の地平部分の光は 遠く山口県宇部市や 山陽小野田市だろうか
イメージ 14


天頂の西側に はくちょう座が見えた あの部分は天の川
実際には 薄く雲が掛っているように見え 欲しの多さを実感する
イメージ 15

はくちょう座やこと座は知っているが ケフェウス座なんてのもあるんだ
イメージ 5


月が明るすぎて その周りの星が見づらくなっている
レンズに反射した光の左には 微かに 「スバル」 が輝いて見える

一筋の線は飛行機雲 その先の光は 飛行機の軌跡
1時30分 こんな時間でも 多くの飛行機が飛び交っている
熊本の方向から 四国の方向へ 東京にでも向かっているのだろうか
イメージ 2

午前2時 大船山の向こう側はまだ明るい 街灯りがこんなに明るい
今度は 向こうの方から飛行機がやってきた 赤い一筋の光の筋がそれ
イメージ 3
空の星座は 「ぎょしゃ座」 と 「おうし座」 
雲も少なく 遠くまで見えるのが素晴らしい
大船山と北大船山の向こうに 大分市があるが
此処からは 直接見ることができない
イメージ 6


実際の見え方は こんなに明るくない 前にも書いたとおり真っ暗だ
ただ 星同様に 街灯りも光としては認識できる その上空も
薄らと明るくなっているが それは 夜明けとは全く違う


2時を過ぎたあたりで 登山者がこっちに向かっている光が見えた
何処に登るのだろうか 天狗かな? それとも此処かな?

その人は 湖畔の避難小屋に一旦入り 2時半過ぎに 此処に登ってきた
頂上に登って来て一言 「もう人がいる 一番かと思ってたのに…」

「何時に登られたんですか?」と聞かれ 12時過ぎ(本当は12時40分頃)と答えたら
「そんな早くから… 何してたんですか?」 と聞くので 「星空を眺めてました」
「今日は流れ星も多いですね 流星群が近いからかな?」 とペルセウス座流星群
話を持ち出したが あまり興味なさそうだった 不思議な御仁だ

福岡在住で 毎週のように 此処に登っている 常連さんらしい
それから暫く 山談議に花を咲かせた


午前3時10分 東の方向に 冬の代表格の星座が現れてきた
「オリオン座」 である 真夏に見るオリオン座は 何とも言えない感動がある
月灯りと 地上の光で 地平付近は朧な感じだが まだ全部は昇ってきていない
イメージ 4
荒牛に立ち向かう 狩人オリオン といった構図に見える
イメージ 7


3時49分 オリオン座が東の空に その全体を現せた
先々週も 少しは見えたものの ここまで全体は見えなかった
それもそのはず 簡単なことなのに 人は意外と気づかない

星座というものは 1年かけて一巡する訳で 毎日少しづつ変化する
要するに 毎日360分の1だけ早く昇ってくる この時期の日の出は逆に遅くなる
1年は365日だから 毎日約1度づつ 星座は早く昇るので 約14度違っている
太陽はというと 2週間前は 10分も早く昇っている ということは
星座の位置も 角度にして+2度も違っている 併せて16度分位置が異なる
その結果が 2週間の星座の見える位置の違いとなっている
イメージ 8
東の方向 街灯りは こんな時間でも 煌々と灯されている
主な光源は街灯だろうが 田舎の山中だと電照栽培のハウスもあるだろう
豊後水道の向こう 左端から佐伯方向と書いているところまでは 四国
イメージ 9

4時10分 はくちょう座が西の方に傾いていく 今が 真夜中の最後の時間帯だろう
これからの時間 気付かぬ程 ゆっくりとだが 徐々に明るくなって行く
イメージ 10

4時50分 あと40分で日の出の時刻 空の色が明るくなってきた
それでもまだ 星ははっきりと見えている 刻々と明るさが増してくる
イメージ 11

この先の楽しみは朝焼け 雲が少なく どんな朝焼けと 朝陽を見せてくれるだろう

続きは後ほど