由布岳の紅葉 2015年10月のお鉢巡り ~大分県由布市~

10月12日(月曜日) 今日は由布岳に登ることにした
午前3時 空には星が瞬いている 今日はいい天気だ
こんな日に登らない理由はない どんな朝陽が見れるか楽しみだ

リュックを背負い コンビニでおにぎりを買って 一路登山口へ

前回此処に登った時 次にはお鉢廻りをしたいと思っていた
その後 10月3日に大船山で出会った人から
「西峰に登れるなら お鉢は問題なく廻れる」
という言葉を聞いて ますます挑戦したくなっていた
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志高湖方向から県道別府一ノ宮線に交わる交差点で
雄の鹿が 道路の真ん中を占拠していた
写真に撮れなかったが その後も道路脇に
雄鹿がこちらの様子を窺うようにしていたので
ゆっくり進みながら窓を開け 写真を撮ってみた

帰って見てみて 「ん… なんだこれ?」 鹿の前に
フラッシュを焚いたせいで 写真に何かの白い影 バッタ?
それにしても前足が長すぎるような… なんだろう?
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トリミング (登山とは全く関係のない一枚)
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さて 駐車場に着いたのが 午前4時15分
日の出時刻が6時15分 ちょうど2時間しかない
到着後 10分で支度を済ませ 4時24分登山開始

支度中に 若い男二人組が登って行ったが
結局 彼らに追いつくことができなかった

駐車場から日向自然観察路分岐まで10分
日向自然観察路分岐から合野越まで30分弱
合野原を通過したのが 午前4時58分だった

ここから頂上まで1時間20分くらいだろうと
時間を読み 休むことなく先へ進む
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ただ足元だけを見て 転ばぬように歩くが
坂が急になるとペースが落ちてくる
急がないと 日の出に間に合わない!
それだけを考え ひたすら登る

「マタエ」 に到着したのは ちょうど6時だった
湯布院の街から 時報の「野バラ」の曲が聞こえてきた
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日の出まで15分だが 此処まで来て濃いガスが掛ってきた
駐車場で空を見上げたら 星が殆ど見えてなかった
これが原因だったのかと思いながらも 西峰に向かう

まだ薄暗い中 西峰に登るのは初めてだった
鎖場をいくつも過ぎて 山頂に着いたのが6時24分だった
薄暗いと ルートが良く見えない 慎重になる分恐怖感も増す
明るい時に通過するのは 楽しく思えたのに
明るさというのは 心理的な作用が強いようだ

日の出はというと全く期待できない状態
登山口で 先に登っていった2人も 此処に居た
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周囲のガスは晴れそうにない その割に風が強く
気温を確認できなかったが とても寒い
登山口で10度だった ここは5度位なのかもしれない

先に居た二人は 東峰に行ってみようと その場を去った
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西峰に独り残って これからどうしようか迷っていた
お鉢を廻るにしても 視界が利かなきゃどうしようもない
まして始めての道 迷ってしまったらどうしようと不安がよぎる

仕方なく 独り西峰に佇み 陽の出ることを期待し待っていた

10分くらいして 西の空の向こうに 僅かだが青空が見えてきた
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時同じく 東の方がオレンジ色に明るさを増してきた
奇跡的に霧が晴れ その向こうに太陽の姿が見えてきた
この時 既に日の出から20分近く過ぎていた
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霧は踊る様に宙を舞い 由布岳の稜線がはっきり見えてきた
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太陽の光は強さを増し 辺りをオレンジ色に染めていく
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東峰もはっきりと確認できる 青空も覗いてきた
今までにない 最高に気持ち良い瞬間だった
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ガス(霧)が うねる様に湧き立ち 消える様子

ガスは消え 西の方に 由布岳のシルエットが奇麗に見える
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そのまま見ていると 時折下から湧きたつ霧に 自分の影が写り込む
影の周囲には 薄らと虹がとり巻いていた
足元の由布岳の影と 自分自身の影が 一体となっていて面白い
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先程まで一緒に居た二人は マタエの近くに居た
もう少しだけ此処に居たら この景色が見られただろうに
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くじゅうの方を見ると 大船山が見える
一昨日登った山 今日も登ろうかと迷った山
あそこも晴れているようだ 向こうの方が良かったのかな?
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午前7時 眺望も良くなった さて お鉢を廻ってみよう
北の端から お鉢巡りの登山道に入る 迷わないだろうか気がかりだ
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あの岩の向こう 高くなっている場所から右に下る
谷筋は陰になっていた暗く見える
その谷に降りたら 今度は岩稜伝いに渡って行く
いったいどんな道なのだろうか 単独で大丈夫だろうか
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結構切り立った場所に ルートが設けられてはいるが
独りが歩くには十分な踏み跡があって 迷うような道ではない
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要所要所に案内表示もあり 危険個所には立入禁止標示もあった
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両側から生える草は 朝露に濡れ ズボンはビショビショ
下りは土にレキ交じりで 滑り易そうな道だ 慎重に下る
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一番下まで下った さっきまで居た西峰が 遠く高く見える
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僅かな足がかりを頼りに 岩稜を登っていく
それは切り立っていて 落ちると危ないが
手元足元はしっかりしているので 歩きやすい
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お鉢の中 足元の遥か下は紅葉が始まっていた
紅いのはドウダンツツジだろうか それともカエデ
まだまだこれからといった感じだが 月末には良い色に染まるだろうイメージ 24

岩稜を歩く 手前の岩を越えその向こうに下りる
怖そうに見えるが 意外にも楽しい
まるで子供の頃に ジャングルジムで遊んでいたような感覚
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通った場所を振りかえる ここは左を迂回してきた
高さがあるので恐怖感はあるが 見降ろす感覚は爽快だ 
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ここは下ってきた場所 岩に這いつくばり 足元を探りながら下りる
意外と突起が多い 足も置きやすく 持ち場もたくさんある
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岩稜を渡り切った カエデが近くにあった
紅葉はまだ始まったばかりのようだが
日々 紅さを増して行くのだろう 楽しみだ
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今度は徐々に高度を上げていく さっき越えた岩稜が眼下に見える
あの尾根筋を渡ってきたとは 我ながら大したものだと思う
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東峰から良く見える細長い「ろうそく岩?」とでも言うんだろうか
此処まで来てしまっている自分が 嘘のように思える
険しいと聞いていたお鉢の どちらから回っても遠く思える場所
実際には 東峰はのうすぐそこなのだが この先に
通りたくないと思っている場所がある 剣ノ峰の三角岩がそれ
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剣が峰に近づくにつれ 険しくなる道 こんな場所を幾つも越えて行く
場所によっては 足の運びを間違うと 先に進めない場所もあった
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手前から岩を越えて行く 足場が少ない分慎重になる
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見下ろすと 斜面の紅葉は美しい 心が休まる
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この岩の辺りが剣が峰 この岩を越えると下って 三角岩に着く
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この岩が 自称「三角岩」 岩の向こうからこちらに越えて来るのだが
東峰から見ると この下は切り立った崖で とても恐ろしい光景だ
足を滑らせようものなら 命の保証はない そんな場所を
立って渡る人がいるから恐ろしい 自分の場合岩の縁を持って下りた
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少し離れた場所から見るとこんな感じ 左下は何もない
他にう回路もなく 此処を越えなければ 下山すらできない
ピンクで示す線が登山道 何処も気が抜けない場所だが
通ってみると とても楽しく思えてしまう そんなルートだ
(岩の名前は適当につけているので 了承いただきたい)イメージ 36

其処を過ぎると すぐに東登山道分岐になる
今回はお鉢巡りが目的のため 此処を下りずに東峰に向かう
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観ると 西峰が賑やかになっていた お鉢を廻る人も 数人見えた
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東峰に近づき 振り返ると
今通ってきた道が 影の線となって見える
陽と影の境が 登山道とほぼ一致する
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東峰に到着 時刻8時9分 ほぼ70分で 西峰から東峰に到着
写真を撮っていた時間を除いても 60分は十分掛っている
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風が強く体感温度は0度に近く感じる ここに寒暖計があったので見ると
その表示が5度だった 真冬なら積雪する温度 寒いはずだ
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青空と太陽をバックに 東峰を写す
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南を見ると くじゅう連山が雲の中に納まっている
今頃の時間から 多数の人が登頂しているだろうに
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東峰を去ろうとし始めた直後に また ガスが山を覆ってきた
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みるみるガスは濃くなり ついには西峰もガスで 見えなくなってしまった
お鉢を廻っていた時だけ晴れていたとは なんと運の良いことだろう
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途中 秋らしい景色を探しながら下る
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下の方でも 紅葉の進んでいる場所はある カエデの紅葉は美しい
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下山して 改めて見上げると 山頂は雲の中
辺りは暗く 雨粒も落ちてきた 早めに帰ろう
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さて来週天気が良ければ もう一度大船山に登ってみよう
月末か 来月早々にはここのお鉢も紅葉が見ごろかも
今から先は 紅葉の便りを追いこして 行ってみたい