この山も初めて登る場所なので 状況があまり良く分からない
駐車スペースもさほど広くないはずなので 早めに着きたい
登山口に着いたのは5時50分ごろ 既に2台の車が止まっていた
東の空は太陽が登り始め 周囲は十分に明るくなっていた
靴を履き替え スパッツを装着 装備を備えていざ出発
登山口の情報では 片道2.2km 平地であれば25分くらいで
行ける距離だが 山の時間は平地のようにはいかない
取りあえず2時間の目標をたてて登り始める
装備はできるだけ軽くしたいので 合羽などは置いていくことにした
登山開始時刻6:00 花との対面はどのあたりになるだろう・・・
登山道の途中に距離表示をしていてくれるのは嬉しい
ここでは100mおきに登山道に このような表示をしている
取りつきは急こう配で その後も暫く急なこう配が続く
一歩一歩ゆっくりと登る 登山道は比較的分かりやすい
15分 標高差で60~70mほど登ると なだらかな場所に出る
尾根筋をゆっくり無理なく歩いて進む 50分であけぼの平に到着
この付近から地面に花弁らしき痕跡がちらほらと見れたが
周囲の木には それらしき花の姿は無く 目的以外の花も無い
それでも新緑は目に優しく 青空と爽やかな風が疲れた体を癒してくれる
大きな岩や 木の根の張った急な坂を登る 危険は感じない程度の
アスレチック的な登山道で 全身を使って登るのは とても気持ち良い
登山口から1時間10~20分 高度が一気に上がって行く
地面に落ちた花弁も 明らかにアケボノツツジだと分かる様になる
しかし 周囲に見える木々の枝先には何もない
この先全ての花が落ちているのでは… と 嫌な予感が脳裏をよぎる
あった! 一輪だけど枝先に付いている 写真で見たことはあっても
実際に見るのは初めてのアケボノツツジ 鮮やかなピンク色をしている
何とも可愛らしい花だ ツツジという名をしているが 花弁が丸い
標高が少し上がると 花の残った木の数が増えて来る
ここまで登ってきたのだから もっと近くでもっと多くの花を見たい
登山口から1時間30分 標高差500mほど 山頂まで残りの標高差150m
どれだけの花が見られるのか 不安を感じながら先を急ぐ
ふと南の方を見ると 彼方に大きな岩肌の山が見える
大崩(おおくえ)山だ 岩肌がとても美しい ビビりなので到底登れないが
もっとあの近くまで行って 勇壮な景色を目の当たりにしたい
舟石の上で記念写真 なるほどこれが舟石かぁ 大きな一枚岩
大崩山もこんな岩からできているんだろうなぁ 岩には多くのクラックが入る
舟石には 左右どちらからでも登れ 登りは左側 下りは逆を通った
登りやすいのは右側のようだ 今度登る時はそっちから登ろう
そこから間もなく分岐に辿り着く この辺りに来ると花も行く分多く残っていた
ここから標高差100m程で山頂に着く 頂上に花が残っていることを願いながら登る
そこから10分程で頂上に辿り着いた 登山口からちょうど2時間 予定どおり
頂上では 幾分か落ちているものの ほぼ満開のアケボノツツジがそこに在った
細い枝先には鮮やかなピンク色 宙に浮かぶように咲いた花
頂上まで来なければ見れないこの景色 感動の瞬間だ
花もこの通り落ちてはいるが そんなに多くなかったので救われる
フワフワと風に靡いて浮かぶ花弁 花のいのちも残りも長くなさそう
遥か向こうに見える稜線が宮崎との県境になる 中央右のピークが傾山
ここから西に位置する御用岳には ピンク色の染まった山肌が見えた
気が付くと40分以上も山頂で花を愛でていた
途中で肌寒くなり 薄手のダウンジャケットが身体を温めてくれた
8時45分頃帰路に着く 途中の岐路で大鋸方向を覗いてみる
このコースは岩の痩せ尾根が続くらしい 尾根伝いを1時間掛けて行くコース
写真では分からないが 両側が断崖でナイフエッジのようになっている
落ちれば勿論 骨折程度の怪我では済まない 完全に自己責任のコース
今日は時間が無いので 次の機会に行けたら行ってみよう
下山中に 自転車のレーサーシャツを着た2人が声をかけてきた
昨年の5月にたまたま一緒になって共に行動した人との 思いがけない再会
今日はここのアケボノツツジを見に来たという 3日前が最高だったという情報をもとに
15~20分程 昔話と山の情報交換して その場を別れた
登山口に下り着いたのが10時30分 頂上を出たのが8時45分頃
分岐で大鋸の方でのロスと 再開時のロスで 併せて30分以上
下りは1時間半も掛らずに下山していた 足元も良くないのに意外と早い
車の脇で早い昼食を摂り 藤川内渓谷を覗いてみる
岩肌を流水が削った奇麗な渓谷 水も冷たくて澄み切っている