星生山からの日の出 ~土曜日 久しぶりの朝駆け~

土曜の朝は晴れの予報 久しぶりに日の出を見たくなって夜中に家を出た

朝駆けしよう! 日の出の時刻は5時4分 方向は真北から61度の方向
予め地図で調べておいたのだが 一応 日の出を拝む場所を 星生山に決めていた
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今まで其処から 日の出を拝んだことがなく 登山口から近いという利点もある
この時期 日の出の時間が最も早い その分は約家を出なくてはならないが
いつも同じ時刻に家を出る関係上 天狗や久住に行くには早足が求められる
初夏とはいえ 日の出前の山は寒い 無駄に汗をかきたくはないというのが理由

牧ノ戸の駐車場に着いたのが午前2時20分 大分市郊外を12時50分だった
無理な運転をせずとも 自宅からでも1時間40分程で到着する 有難い限りだ

駐車場はというと いつも以上に多く それでも3~4割が埋まっているという状況
車はいつも登山口に近い階段の下に止めている 今日も似た場所を確保できた

トイレを済ませ 靴を履き替え 杖を準備し リュックを背負う ヨシ行こう!

1時40分 空はというと星は殆ど見えない 今夜は26日の月 月明かりもない
真っ暗な登山道を ヘッドライトの明かりを頼りに 汗をかかないように歩く

今日も風が吹いていて寒い 半袖のシャツの上に 風雨を通さない上着を纏う
ゆっくり歩いても やはり汗をかく 腕の辺りがベトベトする 脱ぎたいが
沓掛山の常設の寒暖計は10℃ちょうど 先週の大船山の時も寒かった
もう少し着たままでいよう 暑くてどうしようもなくなれば脱げばいい
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ゆっくりと思いつつも 沓掛山を過ぎると 傾斜もなだらかになり足の運びも速くなる
上着を脱いで シャツ一枚に リュックを背負って歩く 身体が温まり 風が心地よい
扇ヶ鼻の分岐に着いたのは 登山口からちょうど1時間の 2時40分だった

その先を歩いていたとき これまで其処で聞いたことのない音を聞く それは水の流れる音
沢に水が流れるがごとき音が何処からか聞こえてきた 昨日の雨で何処かに川ができたか
そう思った時 足元の異変に気付いた 登山道に水が流れ まるで小川になっていたのだ
25年前に屋久島に行き 其処で雨に打たれ 登山道が沢に変化して行ったことを思い出した
でも今日は雨は降っていない 水は結構な量流れてはいるものの 水嵩が増えることはない
水面から上に出ている石を踏み 先を急ぐ それにしても巧い具合に石が並べられているものだ 
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3時50分 星生山への分岐に到着 幾分かの登り傾斜のある登山道500mを10分
意外と早いペースで歩いていた この調子なら35~40分あれば久住の峰に着く
ここでちょっと迷った 日の出の後の時間をどう過ごそう 久住山まで行けば その後
稲星山の先の鳴子山まで足を延ばせば オオヤマレンゲが見られるかもしれない…
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しかし其処は未知の場所 オオヤマレンゲの花を見たこともなく 在っても気付かないかも…
そう思うと 当初考えていた場所に向けて足を運ぶ 先には明りが一切見えない
誰一人其処を目指すものはない 風が結構強く吹いていて 頂上付近の様子がどうだろう
そう思うと不安があった というのも過去に2度登った時 何れも強風だったし
一度は立つのも難しいくらいの風に煽られ 飛ばされそうで 恐ろしさを感じたことがあった
そんなことが脳裏をよぎりながらも 星生の急な登りを一歩一歩登って行ったイメージ 5

途中の大きな岩をヘッドライトで照らしてみる 他の登山者にはどのように見えるのだろう
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およそ15分でその急坂を登り切った 頂上はもうすぐそこ 風はあるがそんなに強くはない
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それから約2分後の4時7分 見えた 頂上だ 頂上に着くと身体が冷えて来る
ウルトラライトダウンのジャンパーと ウインドブレーカーを重ね着する これでよし
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ジッとしていても まったく寒さを感じない 風の影響が少なく 足場の良いところに
カメラをセットして およそ1時間後の日の出を待つ 日の出もそうだが その前の
朝焼けという時間帯も 何とも言えない風景を見せてくれるから好きだ

日の出の50分前 写真で見ると空が薄ら明るく見えるが 実際には真っ暗に近い
手元も足元も 光がないと分からない状態だ 暗いところも明るく写す写真とは
嘘つきであり 正直でもある だから面白いのだろう といいつつ写真は苦手だ

東の空を何枚も写してみる 絞りを開け閉めし 車ったいスピードを10秒くらいまで延ばす
実際には真っ暗な空が カメラのディスプレイには明るく写っていて 稜線も微かに見える
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更にシャッタースピードを遅くする 今度は倍の20秒 そうすると見えないものまで見えて来る
しかし 全体がしらけてしまい 思うような写真が撮れない 自分には写真の技術はない
それは自覚している それでも目を見張るような写真が撮れることがある それが唯一の楽しみ
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日の出の方向が大分市の方向になる 良く見ると街のあかりも見える
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4時44分 東の空が赤く焼けてきて あと20分もすれば 日が登り始める
前の写真より暗く見えるが 実際にはもっと暗い 別府湾の方に雲がある
日の出は雲の上からになりそうだ 朝焼けの奇麗な雲が出てくれると良いのだが…
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4時54分 日の出の10分前 雲が赤く焼けてきた あの雲には 既に太陽の光が当っている
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日の出の時間を過ぎて 時刻は5時7分 別府湾の雲の上に日は登っているようだ
おぼろげながら 太陽らしき明るい部分は見える もう少しすれば ここにも光を放ちそう
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5時10分 太陽がその姿を現した 光は弱いが雲を赤く染めて昇って行く
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この時の雲は オレンジと黄金色に輝き 何とも言えない色を魅せる この一瞬が好きだ
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星生の山頂には 自分以外に5人もの人が登っていた 殆ど県外の人のようだ
福岡から来たという彼 朝12時半に出て 3時頃着いたと言う 福岡も近いんだ
先週山開きの日にも登っていたらしい その日の方が朝陽が奇麗だったと言っていた
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こちらはカップルさん やはり近県からのようで 大きな荷物を背負っていた
今日は坊がつるか 法華院辺りでお泊りかな? とても重そうなリュックだったなぁ
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日の出の写真を撮って さてどうしよう 周囲を見渡すと 北の斜面に花が見えた
下ってみると ミヤマキリシマと コケモモ 特にコケモモは群生してて凄い数咲いていた
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今年咲くのが早かったミヤマキリシマ ここではまだ咲いていて 先週最後と思ってたのが
花数は少ないものの 今週も見れて良かった これが今シーズン本当に最後だと思う
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星生山を後にして 星生崎の方に回って下りようと思い 南の斜面を覗きこむと
ここにも沢山のミヤマキリシマが咲いていた 登ってきたときは真っ暗だったので
到底見えもしなかったけれど こんなにも奇麗に咲いていようとは…
近づけない場所だが 遠目にでも群生しているのを見れただけでもラッキーだった
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星生山を下る時 すぐそこにあった石 なんだか面白い形になっていた
まるでキスしているように見える石 前にも通ったとこだが気がつかなかった
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アップでくっついているところだけみると ネコ系の動物っぽく見え 何気にほのぼのして見える
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なだらかな稜線を歩き その先にある岩領の星生崎に向かう その先に見えるのが久住山
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黄山 常に硫化水素を噴きだしている山 白い山肌も一部が 硫黄で黄色く変色している

最近は何処其処で火山の噴火情報があり ここを眺めていて突然!なんてことがないとは言えない
そう思うと怖くもある 大地というのは地球の肌のようなもの 地球はある意味生きていて
呼吸しているようなもの 時折くしゃみをするのが今日かもしれない などと考えてしまう
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星生崎にある岩 縦長の岩って 何処となくサル顔っぽい 特に口元がなんとも…
その上 幾つかの岩が組み合わさっているものが 大分県の海岸線に似ている
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これが大分県の海岸線 どうだろう? 国東半島が肥大しすぎかな?
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星生崎手前の岩場を歩いていると 後方からトレイルランニングの人が追い越して行った
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足元の悪い場所で 良くもまァ走れるものだ あっという間に見えなくなった
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さっき 星生山で一緒だったカップルさん 大きなリュック背負って大変そうだ
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その二人 星生崎で一休みしていた それにしても怖そうな場所 足元は断崖になっているのに…イメージ 28

星生崎の先端に立ってみる 足元はそこそこの広さがある 正面には久住山が聳えている
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下を覗きこむと 結構切り立っている 眼下には西千里の登山道が見える
6時13分 こんな中途半端な時間帯に登って来る人はなく 人影は見えない
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ほぼ垂直の壁 下に見える登山道まで降りて行こう この反対側から下りる道がある
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本来の登山道は左の稜線沿いに下りて行くのだが 手前の斜面に人の歩いた跡がある
以前雪の中 ここを歩いたことがあったが その時は雪で表土が見えなかった
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星生崎の岩を巻くように下りてきた 左側の岩の所から下りてきた 大きな岩だ
でも こういうところを通るたびに エベレストの地震の映像を思い出す
もしここで 同じような揺れが起こったら あの岩が落ちてくるんだろうな…
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下まで降りてきた 星生山は左の一番高いところ こうしてみると遠く感じるが
歩いてみると意外と近い 途中服を脱いだりして休みながら歩いたので
40分程掛っているが 寄り道もせず歩けば 星生山から半分以下で下りてこれる
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其処の近くの三崎状の先端に行ってみる 目の前に久住山が聳え立つ
6時25分 お腹が空いてきた ここでリュックを下ろし朝食をとる
自然に囲まれた場所で食べると 何でもおいしく感じれるのは不思議だ
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ここからは登山口の駐車場に戻る ぽつぽつと登山者の姿が見えてきた
西千里を戻る途中 ミヤマキリシマの小さな株に 花が付いていたので写真を撮ってみた 
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星生山の南斜面 あそこのミヤマキリシマは 下から見上げても奇麗だ
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湿地帯の所に下りてみた この窪地にもポツリポツリとミヤマキリシマの株がある
手前の茶色い木もミヤマキリシマなのだが シャクトリ虫に食われて無残な姿
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それでもご覧のように 点在する小さな株に ピンクの花をつけている
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周囲にはいろんな花が咲いている この花は 「ベニドウダン」 ツツジの仲間
色が白いのや 赤いのまで様々 小さくて可愛らしい花だ
真っ赤な 「ツクシドウダン」 を探したが 見落としたのか 見当たらなかった
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途中 多くの団体さんとすれ違い すれ違うたびに待たされる やはり人が多くなってきた
ほぼ同じペースで歩く青年は 大きなリュックを背負っていた 何処ぞの大学の山岳部とのこと
リュックの重さが20kg弱だと言う 多い時は30kg以上担ぐので 今日は軽い方だと
自分なんて10kgほどでも 後ろに引っ張られるような感覚なのに… もう少し体を鍛えなきゃ

駐車場に着いたのは 8時25分だった およそ6時間の山歩き 少し物足りなさを感じていた
多くの登山者が 駐車場の売店横で準備をしていた 駐車場は登山者の車で溢れていた

空の様子が少しおかしい 薄曇りだが太陽の姿がまったく見えない 今日の予報は夕方から雨
雨が降るまでは まだまだ時間はある 続いてもう一つ目的の山に登る為 車を移動させた