城島高原 猪の瀬戸湿原トレッキング ~鹿と出会った森の中~

日曜日 天気は曇り 日の出前に目覚めたが 朝焼けもなく 暑い雲に覆われている
由布岳は雲に隠れていた 何処の山も雲の中 登っても眺望は望めそうもない

暫くベッドの中で 撮り貯めしていた番組をみていたが それも飽きかけた頃
一日ゴロゴロしているのも嫌だし 城島高原でも歩いてみようかと 思い立った

そう言えば 昨年の秋に トレッキングコースが整備されたって宣伝してたな
そんなにアップダウンもなさそうだし 猪の瀬戸の湿原を 散策できるのも魅力だ
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朝8時過ぎに家を出て スーパーで おにぎりとスポーツドリンクを買い 城島高原に向かう
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城島高原パーク入口の駐車場に着いたのが 9時15分頃 靴を履き替えリュックを確認
特に問題なし 雨具も必要ないので今日は小さなリュックを背負って いざ出発!
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トレッキングコースの入口 此処から林道を通って 「猪の瀬戸湿原」 に向かう
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ゆっくりとした なだらかなスロープを登る 朝の風が心地よい
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約10分で見晴らし台に到着 「見晴らし台」名付けたが 正式名称は不明の場所
ここからは城島高原パークの遊園地内のアトラクションや ゴルフ場が一望できる

開園前の遊園地 まだ遊具は動いていない 絶叫マシンも音無しの状態
10時を過ぎる頃には これら遊具の音と 客の歓声が 周囲に響くことだろう 
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見晴らし台の背面から先に進む まだまだ道は登って行くようだ

ここは鶴見岳の麓 鶴見岳に登った時と同じような岩が 所々に見られる
松が岩を割っていた どれだけの年月が経ち どれだけの力が加わったのだろう
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路面に 何やら動物の足跡 2本の蹄の跡 これは鹿だな この辺りは鹿が多い
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9時42分 直角に折れ曲がった道 路面には丸太が敷き詰められている
ここは小さな谷筋にあたる場所 水で洗われ土砂が流れないようにしているのか
盛土で地盤が弱いのか こういう対処法もあるんだ 人の知恵というのは凄いと思う
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正面が 由布岳の方向になり 視界が開けてきた もうすぐ猪の瀬戸湿原
いえいえ まだでした 地図上でいえば 見晴らし台からぐるっと回ったところ
この先 中央に見える鉄塔付近まで歩いていきます
それでも傾斜がない林道は快適そのもの ここでの時刻9時49分
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杉の林をどんどん進みます 歩きやすいのですが 風景が単調で
少し飽きて来ました 広葉樹の森だと 変化に富んでるんですけどね

林道が間もなく終わる頃 杉の林の中に動くものが… 見ると 鹿!
暫くお互い「何者だろう」と お見合いが続く 暫くして鹿は去って行った
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9秒の動画(ユーチューブ) 鹿が逃げて行った時の様子です

林の中から抜けだす この先は伐採され 植林されている場所

伐採後の 植林 小さな苗木は昨年末か 今年早々に植えられたものなのか まだ幼い
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良く見ると紅葉の苗木だ その一本一本が プラスチックの網で覆われている
何故かって? 答えはさっき出てましたよね そう 鹿に食べられないようにしている
草食の鹿は 柔らかい葉や茎や樹皮を好んで食べる だからこうして保護してる
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坂の下の方には 県道別府一ノ宮線が見える 左が別府方面 右が湯布院方面
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黄色い花が群生している 手前の森の中にも 幾つか咲いてた花
タンポポや ツワブキのような花だが とても大きい なんだろう?
どうやら ハンカイソウ という花のようだ それにしてもデカイ花だ
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シマハナアブが止まっていた この虫の体長は 12mm くらいだ
花はこの虫の 6~8倍くらいの大きさはある 大きい花で10cmはありそう
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10時8分 ここはは 南平台から鶴見岳に通じる分岐になっている

大きな切株が幾つもあって それが天然のベンチになっている
ちょうど良い高さだ 大きいのでゆったりと座れる 風も爽やかで心地よい
此処でリュックを下ろし 水分と栄養分の補給 おにぎりを一つで元気になれる
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下って行き 県道に近づいたところで右の林の中に進む 小さな橋を渡って行く

明るい林をくぐり抜けると 県道脇のパーキングに近いところに出る
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散策路は近くの端の麓に続いている 道路を渡る手段は…
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なんと橋の下を潜る! それにしても立派な歩道だ
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橋の下をくぐると そこは 猪の瀬戸湿原だった… などと 雪国の書き出しを真似てみる
残念ながら 雪のように奇麗な状態ではなく 少し荒れた草原のようだった

少し草の伸びた散策路を歩く 一応両側にロープが張られているので 迷うことはない
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野アザミの葉にカワトンボが止まっていた 「アサヒナカワトンボ」 若しくは 「ニホンカワトンボ」
帰ってネットで検索してみたが この違いが分からない まぁカワトンボには違いない
森や草原を歩いていて 動物や昆虫に出会うと 童心を思い出すのか 心が和む
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少し行くと このコースの西の端に辿り着く 此処は木道が敷設されている
藪を歩くのは好きではない 木道には感謝 とは云うものの足元は湿地なのだろう
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この先少し右に逸れ 林の中に入る 日差しが出てきたので 影になるのは有難い

振り返ると 南平台と 鶴見岳 低い雲の切れ間から 青空と高い雲が顔を覗かせている
イカにも 「初夏」 といった感じの風景 しかしながら低山散策は 汗が噴き出していけない
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水口川の近くだけに カワトンボの数も多い 羽を休めるカワトンボ

それぞれ色が異なるが 皆同じ種類 素人目には違う種類に見える
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カナヘビも甲羅干しか 日向ぼっこをしていた そっと近づいても微動だにしない
目元を見ると眠そうな目つき 左の手も葉を掴んではいない やっぱり昼寝中だったようだ
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10時42分 湿原から 水口川を渡り 森に入る 木陰に入るだけで気温がぐんと下がる

川縁の樹に 太いつるが垂れていた 小さな立ち木よりも太いつる どれだけ生きてきたのだろう
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川沿いの散策道 この道はかつて別府と日田を結ぶ道だったらしい
道路がまだ 人馬のためのものだった時代 此処も往来があったんだと思うと感慨深い
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周囲には苔生した岩が数多く露出していて 木々の緑も目に優しい
夏の陽が差してきた湿原から踏み込むと そよぐ風が最高に心地よい
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奥に氷室小屋の跡があると書いていたので 行ってみると すぐ近くにそれはあった

氷を貯蔵していたというが こんな場所で何月頃まで保存できたのだろう
小屋を建てていたとはいえ 冷凍庫ではないのだから 一年分という訳にもいかないだろうに
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これがその 氷室小屋の床と壁の基礎部分なのか 人工的な作りが今は
自然に浸食されてきている その内部に生えた木は いづれこの直線を壊すのだろう
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この森はとても心地よい まるでジブリの絵の中に 入り込んでしまったように思える
他の場所は緑が濃く 夏を思わせる色に変っているが 此処は違う
まだ 新緑に近い淡い緑の光に包まれた空間 木々の精霊が居そうな空間
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大きく根を張る樹があった 樹の下のこんもりしているのは大きな岩
その岩を覆いつくすように根が張っている 此処が日田街道として使われた時代
往来する人々も この樹の この根を見ていたのだろう
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氷室小屋の跡から 城島高原パークの方に下る 道はしっかりしている
10時53分 厳かな広葉樹の森は 雰囲気がかわり 人工林へと変化していく
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10時57分 これから先はこれまでと違い 少しづつ面白さの掛ける道へと変わって行く
散策道として 新たに切り開かれたように見える道 昔の日田街道ではなさそうに思える
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11時 それでもこの掘割は 昔からのもののよう 笹に覆われ人が通らずに久しい道を
伐採し通れるようにしたためか 人の通った形跡も少なく 林道よりも人工的に
そして 作為的な道に思える この散策道 人が草刈りしなければ たぶん
数カ月もしないうちに 元の藪に戻るのだろう そう思うと なぜか悲しい気持ちになる
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11時5分 林道のような車の通れる道に合流する

轍の跡がある 此処を下って行くようだ 此処から先は自然の盛とは違う
面白みに欠ける道なのだろうというと予想する どういうコースを辿るのか…
案内板にも ある程度のコースさえも載っていなかった部分 期待と不安が入り混じる
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11時8分 左の奥の方から舗装路に出てきた 作業道のようだ
この近くにゴルフ場のコースがある たぶんその管理用の道路だろう
一般の車両の入り込む場所ではなさそうだ このままコース脇でも進むのか
それとも遊園地のアトラクションを横目に見ながら ゴールするのだろうか

殆ど通りがないであろう この舗装路を下るとその先には 水口川から合流した川があった
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11時13分 川を横切る この川を下ったところに 由布川峡谷がある
火山により造られた大地を侵食した 狭く美しい谷 その源流が此処なのだろう 
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11時14分 谷と横切り 少し登ると 左の斜面に登るよう 標識が立っていた
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ずっと下ってきたため 斜面がキツク思えてならない 伐開された背の低い竹藪
路面からは 新しい竹の芽が至る所から頭を出している それを踏んだ痕は少ない

11時20分 ゴルフ場のコース内の売店の裏を通る ゴルフをプレーしている人は
こんなところを人が通るなど 思いもしないだろう 数メートル先はカート道だった
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そこから更に散策路を登る 11時28分 ほぼ最上部と思われるところに辿り着く
県道の往来の音が とても近くなってきた 此処からはほぼ平坦な道
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進んで行くと 鳥の声が奇麗な森に入り込んだ 幾分か歩きやすい路面になっていた

11時34分 広い空間に出た 逆方向を示す道標がある 此処まで湿原から2km

この横には 比較的新しい広場がある 駐車場でも作ったのだろうか
まだ使ってはいないようだが 職員用の駐車場って雰囲気の場所だ
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その先にゴルフコースが良く見える場所があった この御仁 ナイスショットだった
その昔 此処は2度程 職場のコンペで回った 2回目の時には2位になった記憶がある
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11時39分 城島高原パークの入口に戻ってきた 正面に見える車は県道を走る車たち
バス停の向こうに わが愛車が待っている ゴールは もうそこまで迫っている

遊園地入口の看板 向こうに見えるのは 遊園地を経由し 別府駅に向かう路線バスだ
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県道を渡る きちんと横断歩道を渡る 交通ルールは 歩行者もきちんと守らなければ!

11時42分 無事にスタート地点に戻ってきた 駐車場には新たに車1台と
スクーター1台が止まっていた この人等もトレッキングだろうか?
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今回 このトレッキングコースを歩いて感じた事

此処から氷室小屋跡までは 比較的自然を楽しめるコースだと思う
だが 氷室小屋跡から此処までの道は う~~~~~~ん という感じ

即興で作った にわか散策路が 自然と親しむ感覚に 茶を濁す感じが否めない
できれば県道に 正規の歩道を設け そこを歩くようにした方が心地良く歩ける気がする

健脚の人は 来た道を戻るのも 楽しめるのではなかろうか?
ただ 猪の瀬戸の湿原を くるっと一回り散策できたなら
もっと楽しい トレッキングコースになったのではないか と思った

どうせなら もう少し自然と戯れたい 自然を感じたい そう思うと
後半の戻りのコースは まったく楽しめない 歩道だと思った

このコース どのくらいの頻度で メンテナンスするのだろう?

2~3年前 2度程歩いたことがあるが 全般的に景色のいい道路
是非とも歩いて その景色を多くの人に 見て欲しいと思う そんな県道だ

大分県にお願いしたい 歩道のないこの県道に 是非とも歩道を 整備して貰いたいものだと




PS. そうそう このコース歩いてて バードウォッチングを楽しむ人たちと出会いました
セグロカッコウが来るとかで それを待っているとのことでした
でも その人曰く 「来るかもしれないけど 今日は来ないかもしれない」 と
それでもじ~~~っと待ってるんです 僕には真似できませんが… 見れたかなぁ