由布岳登山 朝日を拝みに山頂へ 2018-11-10

先週の登山の翌日は疲労困憊で ほぼ一日 家でぐったりしていた
そんな疲れも数日経つと忘れてしまう 登山馬鹿になってしまった

さて 今回は 先週一緒に行った仲間を誘って 朝駆けを企てた

11月10日土曜日 天気予報は晴れ 昼間も雲の殆どない天気だ

朝3時に大分市内で待ち合わせて 由布岳の登山口に向かう
通常45分くらいで到着するので 登り始めるのは午前4時の予定
そこから2時間ちょっとで山頂に到着する予定で登山口に向かった

この日の日の出 大分は6時39分 方位は109.9度の方向
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由布岳から見ると 大分市街地の向こう 臼杵湾から豊後水道を経て
四国は高知県宿毛湾や 足摺岬の近くを通した直線上から登る
夏場のように 四国山地の高い山の陰ではなく 
水平線に近いところから登るはず

車中で そんな話をしながら一路登山口を目指す
途中 志高湖を通り過ぎた頃 道路脇に雌鹿が一頭見えた
その先の道路脇に 一頭の雄鹿がいた ヘッドライトに驚いてか
突然走り去ろうと 左の茂みに逃げ込もうとしたが
何を思ったか 車の前に飛び出し 右の方に逃げていった
危うく鹿と衝突するところだった。

別府一宮線の猪ノ瀬戸を過ぎたところから この季節は多くの鹿が見られる
この日も見れるだろうと思っていたが まったく居なかった
まだ 山に食料が多いようで ここまで出てきていないようだ
どうせ登り始めれば どこかで見掛けるはずだ

午前3時40分頃駐車場に着くと すでに4台の車が止まっていた
数台は車中泊だろう 数台はすでに登山中か そんなことを思いながら
支度をしていると 別の車が一台横に止まった
その人は早々に支度をし 登山口から山のほうに消えていった

日の出までには十分すぎるほど時間がある
できれば 日の出30分前頃に山頂に着きたい
ゆっくり登って2時間半くらいで ちょうどいい時間になる
地平が色付き始める頃に登れればいい そんなつもりで登山を開始した
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赤い線のとおり登っていく 地図の赤い線と青い線の別れ際が樹林帯の入り口
手前のススキの野原を10分ほど歩くのだが そこそこ風があり肌寒さを感じた
しかし 樹林帯に入ると風は遮られ 一気に汗が噴き出してくる
ここで羽織っているものを脱ぎ 必要以上に汗をかかないようにする
11月とはいえ 山頂は風が強いことも予想される
汗をかきすぎていれば 風で冷やされ低体温症にかかる恐れもある
少しでもリスクは少ないほうがいい 汗を拭くタオルも用意し登り始める

樹林帯に入ると森の奥に ヘッドライトを浴び光る目玉が見える
鹿だ メスの鹿がすぐ近くでこちらの様子を伺っている
道路付近まで出ずとも この辺りには沢山の食料があるのだろう
彼らの邪魔をしてもかわいそうなので そのままやり過ごす

合野越に到着したのは 駐車場から45分経過したところだった
ここのベンチで一旦休み 水分補給をしてまた登り始める
真っ暗な森の中 先に行った登山者の姿は見えない
日の出までには十分に時間がある 登山道をゆっくりと登る

そこから30分ほど歩くと見晴らしが良くなり 由布院の町並みが見えた
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夜明けまでまだ1時間以上ある みなが寝静まっているであろう時間帯
それでも町並みの灯りはご覧のとおりだ

この辺りから登山道も斜度を増す まだ先は長い
はっきりとした登山道を ヘッドライトの灯りで登っていく
標高があがるにつれ 気分的に気温も寒くなっていく感じがする
まして 風が吹きさらしの登山道 気温以上に寒さを感じる

午前6時 由布院の町から時報を告げるメロディーが聞こえて間もなく
マタエという由布岳山頂直下の東峰と西峰の分岐に到着した
ここから山頂までは約15分程度 周囲の稜線付近が少し明るくなってきた

マタエでは 風が強くガスが吹き上げてくる
体温を奪われないようにダウンやウインドブレーカーを重ね着する
今回失敗したと思ったのが手袋 指先の露出したものを着用していたため
マタエから頂上までの間 寒風に煽られながら指先が寒さで痛い
今後は風を通さない素材のグローブを用意するようにしたい

マタエからは東峰に登ることにして 汗をかかないように確実に登っていった
山頂に着いたのが午前6時18分 地上は雲海で覆われていた

山頂付近にリュックを下ろし 見晴らしのいい場所を陣取った
先人は2名いて 各々自由に日の出を待っていた
地平のオレンジの帯が 空と陸の堺を彩っていた

徐々に周囲が明るくなると特にある くじゅう連山がとても近くに見える
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雲は目の前で渦を巻くように 立ち上っては消えていく
なんとも幻想的で 不思議な光景だ
東の地平が 明るくオレンジ色に染まっていく
空もダークなプルシアンブルーから 明るい青に変わっていく
やがて眩い陽が昇り 冷たい空気を一気に暖め始める
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雲の端が風に靡き 眩い陽射しに照らされて消えていく
思いがけない光景に 暫く眼を奪われていた

下方に鎮座する雲と 湧き上がり消えていくガス状の霧に包まれる山頂
毎回 様子の違う日の出が登山する者を迎えてくれる
だからまた来てしまう だから次も来たくなる だから山は面白い
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陽が昇った後の 東峰から見た 九重連山と西峰の方向
山の奥のほうだけに 別府湾ほど雲海の雲は厚くない
それにしても 九重連山の近いこと 今日も空気が澄んでいる

日野にカリをバックに 連れにポーズを取らせ シャッターを切る
CG無しの リアルなカメハメ波 のようなワンショット
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次は自撮りでやってみたいが 位置合わせがなかなか難しいだろう

暫く眺めていたが 下の雲海の中の森も歩いてみたい
どうせ降りるなら 来た道とは違うルートでと思い 東登山道を下ることにした
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東峰から東口登山道へと向かう尾根筋の登山道は こうして眺め見る以上に険しい
特に下り始めのところは 油断すると落ちてしまうのではという恐怖を感じる
イメージ 11熊本地震の際 このルートは一部崩壊し 以前のような安定した足場が少ない
ロープでもあれば 少しは歩きやすく ルートも分かりやすいのかもしれない

東口登山道を下り始め 約30分で東登山口と日向岳との分岐に到着
ここから 日向岳自然観察路を歩き 正面登山道に向かう
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この自然観察路は苔生した森 なんともいい雰囲気の場所
岩を抱え込む古木が多く なんとも落ち着く雰囲気が良い
火山活動が終息したあとに 木々が根を張り苔生したのだろう
葉が覆い茂る夏だと もののけ姫の木霊でも出てきそうな森だ
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正面登山道に近づくと 紅葉がとても綺麗だった
落ち葉もまだ新しく 紅色の空気に包まれたような景色
今年 山で紅葉を楽しむのも これが最後かな?
もうすぐ街にも 紅葉の便りが届くことだろう