先週の登山の翌日は
疲労困憊で ほぼ一日 家でぐったりしていた
そんな疲れも数日経つと忘れてしまう 登山馬鹿になってしまった
さて 今回は 先週一緒に行った仲間を誘って 朝駆けを企てた
11月10日土曜日 天気予報は晴れ 昼間も雲の殆どない天気だ
通常45分くらいで到着するので 登り始めるのは午前4時の予定
そこから2時間ちょっとで山頂に到着する予定で登山口に向かった
この日の日の出 大分は6時39分 方位は109.9度の方向
水平線に近いところから登るはず
車中で そんな話をしながら一路登山口を目指す
途中 志高湖を通り過ぎた頃 道路脇に雌鹿が一頭見えた
その先の道路脇に 一頭の雄鹿がいた ヘッドライトに驚いてか
突然走り去ろうと 左の茂みに逃げ込もうとしたが
何を思ったか 車の前に飛び出し 右の方に逃げていった
危うく鹿と衝突するところだった。
別府一宮線の猪ノ瀬戸を過ぎたところから この季節は多くの鹿が見られる
この日も見れるだろうと思っていたが まったく居なかった
まだ 山に食料が多いようで ここまで出てきていないようだ
どうせ登り始めれば どこかで見掛けるはずだ
午前3時40分頃駐車場に着くと すでに4台の車が止まっていた
数台は
車中泊だろう 数台はすでに登山中か そんなことを思いながら
支度をしていると 別の車が一台横に止まった
その人は早々に支度をし 登山口から山のほうに消えていった
日の出までには十分すぎるほど時間がある
できれば 日の出30分前頃に山頂に着きたい
ゆっくり登って2時間半くらいで ちょうどいい時間になる
地平が色付き始める頃に登れればいい そんなつもりで登山を開始した
赤い線のとおり登っていく 地図の赤い線と青い線の別れ際が樹林帯の入り口
手前のススキの野原を10分ほど歩くのだが そこそこ風があり肌寒さを感じた
しかし 樹林帯に入ると風は遮られ 一気に汗が噴き出してくる
ここで羽織っているものを脱ぎ 必要以上に汗をかかないようにする
11月とはいえ 山頂は風が強いことも予想される
汗をかきすぎていれば 風で冷やされ低体温症にかかる恐れもある
少しでもリスクは少ないほうがいい 汗を拭くタオルも用意し登り始める
樹林帯に入ると森の奥に ヘッドライトを浴び光る目玉が見える
鹿だ メスの鹿がすぐ近くでこちらの様子を伺っている
道路付近まで出ずとも この辺りには沢山の食料があるのだろう
彼らの邪魔をしてもかわいそうなので そのままやり過ごす
合野越に到着したのは 駐車場から45分経過したところだった
ここのベンチで一旦休み 水分補給をしてまた登り始める
真っ暗な森の中 先に行った登山者の姿は見えない
日の出までには十分に時間がある 登山道をゆっくりと登る
そこから30分ほど歩くと見晴らしが良くなり
由布院の町並みが見えた
夜明けまでまだ1時間以上ある みなが寝静まっているであろう時間帯
それでも町並みの灯りはご覧のとおりだ
この辺りから登山道も斜度を増す まだ先は長い
はっきりとした登山道を ヘッドライトの灯りで登っていく
標高があがるにつれ 気分的に気温も寒くなっていく感じがする
まして 風が吹きさらしの登山道 気温以上に寒さを感じる
午前6時
由布院の町から
時報を告げるメロディーが聞こえて間もなく
マタエという
由布岳山頂直下の
東峰と西峰の分岐に到着した
ここから山頂までは約15分程度 周囲の稜線付近が少し明るくなってきた
マタエでは 風が強くガスが吹き上げてくる
体温を奪われないようにダウンやウインドブレーカーを重ね着する
今回失敗したと思ったのが手袋 指先の露出したものを着用していたため
マタエから頂上までの間 寒風に煽られながら指先が寒さで痛い
今後は風を通さない素材のグローブを用意するようにしたい
マタエからは
東峰に登ることにして 汗をかかないように確実に登っていった
山頂に着いたのが午前6時18分 地上は雲海で覆われていた
山頂付近にリュックを下ろし 見晴らしのいい場所を陣取った
先人は2名いて 各々自由に日の出を待っていた
地平のオレンジの帯が 空と陸の堺を彩っていた
徐々に周囲が明るくなると特にある くじゅう連山がとても近くに見える
雲は目の前で渦を巻くように 立ち上っては消えていく
なんとも幻想的で 不思議な光景だ
東の地平が 明るくオレンジ色に染まっていく
空もダークなプルシアンブルーから 明るい青に変わっていく
やがて眩い陽が昇り 冷たい空気を一気に暖め始める
雲の端が風に靡き 眩い陽射しに照らされて消えていく
思いがけない光景に 暫く眼を奪われていた
下方に鎮座する雲と 湧き上がり消えていくガス状の霧に包まれる山頂
毎回 様子の違う日の出が登山する者を迎えてくれる
だからまた来てしまう だから次も来たくなる だから山は面白い
山の奥のほうだけに 別府湾ほど雲海の雲は厚くない
それにしても
九重連山の近いこと 今日も空気が澄んでいる
日野にカリをバックに 連れにポーズを取らせ シャッターを切る
CG無しの リアルなカメハメ波 のようなワンショット
次は自撮りでやってみたいが 位置合わせがなかなか難しいだろう
暫く眺めていたが 下の雲海の中の森も歩いてみたい
どうせ降りるなら 来た道とは違うルートでと思い 東登山道を下ることにした
東峰から東口登山道へと向かう尾根筋の登山道は こうして眺め見る以上に険しい
特に下り始めのところは 油断すると落ちてしまうのではという恐怖を感じる
熊本地震の際 このルートは一部崩壊し 以前のような安定した足場が少ない
ロープでもあれば 少しは歩きやすく ルートも分かりやすいのかもしれない
東口登山道を下り始め 約30分で東登山口と日向岳との分岐に到着
ここから 日向岳自然観察路を歩き 正面登山道に向かう
この自然観察路は苔生した森 なんともいい雰囲気の場所
岩を抱え込む古木が多く なんとも落ち着く雰囲気が良い
火山活動が終息したあとに 木々が根を張り苔生したのだろう
葉が覆い茂る夏だと
もののけ姫の木霊でも出てきそうな森だ
落ち葉もまだ新しく 紅色の空気に包まれたような景色
今年 山で紅葉を楽しむのも これが最後かな?
もうすぐ街にも 紅葉の便りが届くことだろう